【現状】病院へ転職を考える薬剤師の方へ:現役病院薬剤師がメリットや注意点を解説

薬剤師の仕事
sakaguchi
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こんにちは。sakaguchiです。

病院転職を考える薬剤師さんへの記事を用意しました。

現在の病院ではどのような業務をし、どう必要とされるのか記載しましたのでよろしければ読んでいってください。

この記事を読むメリット
  • 病院薬剤師の立たされている状況が理解できる。
  • 現在注目されている薬剤師業務の内容がわかる。
  • 急性期病院・慢性期病院のそれぞれのメリットがわかる。
  • 病院・薬剤師数・病床数の推移がわかる。
  • 病院の選び方がわかる。

病院と薬剤師の現状

病院数は減少傾向

日本全国の病院数は減少傾向にあります。

なせなら、日本では治療や療養は入院ではなく自宅で行う方針へと変化しているためです。

令和元年度医療施設調査を下に示します。

※厚生労働省:令和元年度医療施設調査:病院・施設数

日本の病院数は2018年で8372施設であり2019年には8300施設と前年に比べ72施設減少しています。近年では毎年病院数は減少しており、療養を自宅で行うという方針を感じることができます。

病床数も減少傾向

病院数が減少すれば、病床数も減少します。

厚生労働省の医療施設動態調査(令和2年12月)のデータを見ていきましょう。

※医療施設動態調査(令和2年12月)

令和2年11月の病床数が1,596,953床であり、翌月12月の病床数は625床マイナスの1,596,328床となっています。

このグラフは平成30年12月~令和2年12月の日本の病床数の変化を示しています。

この2年間で約33000床も減少していることと、継続的に右肩下がりの低下傾向にある事実を確認できます。

病院薬剤師数は増加傾向

病床数、病院数は減少傾向というお話をしましたが、実は病院薬剤師数は増加しています。

なぜなら、医療の効率化と質の向上に病院薬剤師が寄与し高い評価を受けており、薬剤師の必要性が高まっているためです。今では薬剤師外来を実施したり、腎センターやICUの常駐薬剤師、治験に携わる薬剤師など多彩であり、様々な形で医療に貢献しています。

厚生労働省による「平成30年医師・歯科医師・薬剤師調査の概況」 を参考に増減のグラフを以下に示します。

※厚生労働省 平成30年薬剤師調査の概況

日本の病院薬剤師数は2016年では52,145人でしたが2年後の2018年には54,150人へと2005人も増加しています。病院薬剤師の需要の高まりを感じることができます。

病院薬剤師の展望

病棟薬薬連携

病院内で医療を完結させる時代は終わっており、現代は地域包括ケアの時代と言えるでしょう。

「退院時指導連携加算」という薬局連携を前提とした病棟指導業務が加速しております。入院経過から退院処方の意図まで記載した紙をお薬手帳に貼って、退院後かかりつけの薬局に見せるように指導します。

薬局薬剤師への情報共有により、外来での医療の質の向上を狙っているわけです。

薬剤師外来

薬剤師の拡大業務の一つに「薬剤師外来」が存在します。実際に当院でも実践しています。

薬剤師外来とは、薬剤師が患者の状態を評価し、治療方針や副作用対策を医師にフィードバックする体制のことを言います。

流れとしては、

当院では内服抗癌剤に限っていますが、薬剤師外来を導入しています。ほぼ私が指導担当をしておりますが、服用薬との相互作用や対症療法薬についての提案は、医師にとってはありがたいようで提案事項は採用されることが多いです。(当院ではほとんど採用されます)

看護師さんは、皮膚障害のケアの方法や日所生活の注意点等を細かく指導してくださいます。がん認定看護師の資格を持った看護師が担当します。

このように患者のQOLを高める薬剤師外来の需要は高いです。しかし実際は着手できていない施設の方が多いのが現状です。そのため病院は薬剤師の人手を欲しているところは多いです。

院外連携(他施設へ)

入院期間は正しく服用できている患者でも、退院後にコンプライアンス不良となり再入院されることはぐ少なくありません。外来での治療を成功させるための他施設連携は必須です。

病院から退院するとき、医師、担当看護師、病院薬剤師に加え、ソーシャルワーカーや薬局薬剤師も含めた拡大カンファレンスを行っています。

内容は治療方針やケア方法、内服薬の使用状況の引継ぎをし、自宅または転院先での医療を充実したものにすることを目的としています。

昔では全くやってこなかった職種連携により、徐々に医療を外に外に移行させる時代となっていることがわかります。

 

通常業務に関しては以下の関連にまとめてありますので、こちらから読んでください。↓

関連記事:【病院薬剤師のやりがい】とりあえず病院就職はアリ?解説します。

関連記事:【仕事内容】薬剤師は本当に不要なのか?体験した3症例で否定します。

病院薬剤師のキャリア

病院の種類と役割

病院といえど機能がいくつかあり、その病院によって忙しさや仕事内容が異なります。

厚生労働省・「地域医療構想について(令和元年6月7日)」参照

高度急性期・急性期病院では、重症患者を相手にし高度な治療を行うため、さまざまな診療科で多様な治療が行われています。

慢性期・回復期病院では、緊急性は高くないが長期を前提とした治療を安定して受けられる機能を持っています。

薬剤師の仕事内容の違いを以下に示します。

急性期病院と慢性期病院の働き方の違い

そもそも病院で働くことのメリットがあります。それは、福利厚生の部分です。

医療費がかからなくなったり、職員専用の託児所があったりするので、検討している病院があれば必ず福利厚生は確認しておくことが重要です。

急性期病院で働くメリット
  • ICUやCCU等で救急の知識を学べる。
  • 業務種類や診療科が多く、専門性が高いため、好きな分野を見つけやすい。
  • 専門や認定を取得し、チーム介入ができる。

急性期病院は緊急性の高い仕事内容のため、残業や当直、夜勤等が多くなりやすい傾向にあります。

人気があり採用試験が難しい急性期病院もあります。

好きな分野に携わりたい方やスペシャリストを目指すなら急性期病院はお勧めです。

慢性期病院で働くメリット
  • 比較的ゆったりとしており、残業が少ない場合が多い。
  • 薬剤師の夜勤のない病院も存在する。
  • 全体的な知識を身に着けられる。

子供がいる家庭では、残業や夜勤当直がないことは非常にありがたいですよね。

安定した生活を送り、全体的な知識を持つゼネラリストを目指すなら慢性期病院はお勧めです。

まとめ

  • 病院数は減少しているが、病院薬剤師の役割は多く、多職種から必要とされている。
  • 院外との連携が強化される風潮がある。
  • スペシャリスト・ゼネラリストどちらでも病院薬剤師ならなることができる。

 

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