子供の咳が止まらないんだけど、どうしたらいいの。
皮膚にブツブツがあるけど、市販薬使わない方がいいでしょうか。
鼻水がずっと出ているけど、大丈夫なのかしら。
子供の体調不良はよく起こることですが、適切な対処をすれば病院に行かなくても治ってしまうものもあります。
どのくらいの症状ならば病院へ行った方が良いか悩む親も多いのではないでしょうか。
仕事をしていても保育園から呼び出されて、風邪をぶり返して困っている人もいるのではないでしょうか。
私は現役病院薬剤師として働いていますが、様々な症状の小児を見てきました。
いつも思うことは、親が対処法を理解していれば、子供が苦しまずに済んだ例が多いです。
今回は症状別に対処法をまとめましたので、ぜひ参考にしてください。
今回は症状別にケアのポイントを紹介しますので、参考にしていただけると幸いです。
熱が出た
熱の初期と中期で症状と対処法が異なります。
①熱の上がり始め(寒さ)→②発熱期(汗が出る・食欲が落ちる)→→解熱
①熱の上がり始めは子供が寒さを訴えますので、まずは手足を温めます。体の末端である手足を温めることで小さな子供は落ち着きを取り戻します。布団などに寝かせて寒くないようにしてあげてください。
②熱が上がりきり、顔が赤くなったら薄着にします。夏であればクーラーなどを使用し部屋を涼しくし、熱を発散できるようにしましょう。
子供が嫌がらなければ、冷却シートや水枕を使用し頭やおでこを冷やします。
※冷却シートはずれて口をふさいでしまい、窒息の事故を起こした例がありますので、使用する際は注意してください。
汗をかいたら、着替えをさせましょう。服を脱がせた際にぬるま湯で絞ったタオルなどで体を拭いてあげると、その水分が蒸発し気化熱によって体温を下げてくれますのでお勧めです。
食欲が落ちているときは脱水を防ぐために、水・麦茶・乳児用イオン飲料などをこまめに与えることが大切です。熱で入院する子供は脱水になっており、点滴するだけでかなり改善することが多いです。水分を取らせてあげることがとても重要なのです。
発疹が出た
発疹の原因にもよるのですが、かゆみがある場合は搔きこわすことが一番の悪化の要因です。そのためには爪を短く切っておきましょう。
体温が高くなったり、汗をかくとかゆみが増すので、室内の温度と湿度に気を付けてください。
それでも、どうしても掻いてしまう場合は、湿疹部分が隠れる衣服を着せたり、寝るときに手にミトンを付けるなどの工夫をしましょう。
皮膚のトラブルを防ぐには入浴やシャワーで清潔を保つことが大切です。しかし、とびひの場合は感染のリスクがあるので湯舟はさけてシャワーだけにしましょう。タオルも他の家族とは分けて別のものを使用します。
喉や口腔内にも発疹ができている場合、食欲が落ちることが心配です。
脱水を防ぐために、水・麦茶や水分の多く食べやすい食事を与えましょう。塩分が多いと口腔内の湿疹にしみることがありますので、薄味のものにしましょう。
湿疹の出るタイミングによって病気を判別することがありますので、湿疹が出たのはいつか、熱はいつから出ていたのかをメモしておきましょう。
咳がひどい
乾燥した空気を吸うと咳が出てしまうので、部屋の空気が乾燥しないよう加湿器などを使って部屋の湿度をあげましょう。濡れたバスタオルを部屋に干しておくだけでも効果があります。
また、水や麦茶を与えてあげると、のどが湿って呼吸が楽になり、痰の切れもよくなります。こまめに、少量ずつ水を飲ませるように心がけましょう。
コホコホと乾いた咳かゴホンゴホンと痰のからむ咳かによって診断が変わることがありますので、咳の音に注意してください。また、咳の出る時間帯もチェックしておきましょう。
鼻づまりがひどい
空気が乾燥すると鼻汁が固まりやすくなり悪化しますので、加湿器を使用して部屋の湿度に気を付けましょう。
入浴させると湯気で鼻のとおりが良くなります。蒸しタオルの湯気を鼻に近づけても効果的です。試してみてください。
お腹を痛がる
おむつやズボンなどのお腹の周りを緩くして、楽になるような姿勢をとらせます。お腹をさすって気持ちよさそうであればさすってあげてください。
原因がわかるまでは温めたり冷やしたりしてはいけません。悪化の可能性があります。また、下剤や浣腸も受診する前に使うのはやめましょう。
吐き気が出ているのであれば早めに受診しましょう。
吐いた
嘔吐物をのどに詰まらせないように、顔を横に向けてください。
水分補給が大切になりますが、たくさん飲ませるとまた吐いてしまうので、吐き気が落ち着いているようであれば、少量ずつ水や麦茶を与えましょう。
食事は無理せず、食べられればおかゆを与えてください。お腹が減れば食べてくれる子は多いです。
下痢をした
下痢をしているということは水分を吸収できていないということです。なるべく水分補給をしてあげる必要があります。食事は無理せず、おかゆやうどんなどの消化に良いものを選択し与えましょう。
おしりがかぶれやすくなるので、下痢の回数が多ければ、体温くらいのお湯でお尻を洗ってあげたり、「亜鉛華単軟膏」というかぶれに使用する軟膏をもらって使用することをお勧めします。
受診するときに下痢のおむつを持って行くと診断に役に立ちます。
ひきつけを起こした(けいれん)
平らなところに寝かせて、衣服を緩めてあげます。嘔吐する場合は吐いたものをのどに詰まらせないように顔は横向きにします。
このとき、舌をかまないようにと口の中に割り箸やタオルなどを入れてはいけません。窒息する危険があります。
ひきつけを起こしているときの様子、続いた時間、その他の症状、についてメモをし、受診のときに伝えてください。
引きつけが5分以上続く場合はすぐに病院に行くか救急車を呼んでください。
★こんな時は急いで病院へ★
- 3ヶ月未満の赤ちゃんが38度以上の発熱をした。
- 顔色が真っ青で、ぐったりしている。
- 呼吸が苦しそう。呼吸の方法がうまくできていない。
- けいれんが5分以上続く
- 発熱に加え、下痢、嘔吐、腹痛などの症状が強いとき
治りかけこそ安静に
熱が下がって、腹痛や嘔吐が治ってきたとしても、病気の後なので体力が落ちています。病気に対する抵抗力が落ちていますので、ぶり返したり、新たな病気にかかるリスクが高くなっています。
登校・登園は「熱があるかどうか」だけでなく、子供の体調の全体を見て判断しましょう。
あとがき
今回の記事がお役に立てたなら幸いです。
私は病院薬剤師としてさまざまな小児患者と接してきましたが、症状の対応を知らない親が多いことが問題であると感じていました。
水分補給や温度湿度管理、食事など・・気を付けることは多いですが、知っていれば子供の苦しみは少なく済みますので、ぜひ確認する習慣をつけていただきたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。 参考:母子衛生研究会
他にも役に立つ情報を発信していきます。
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